ブログ名はいずれ考える。

日記やら感想やら。

わたしだけの「タージマハルの衛兵」を作ってもらったはなし。

みなさんこんばんは。

ブログを書かなくなってはや10年、twitterというツールに慣れすぎて文章を書くことを忘れてしまったためリハビリをしようとはてブロを登録したもののあっという間に大晦日になってしまいました。下書き記事は複数あるけど投稿まで至らない……。 見直しが、終わらない……。そんなの永遠に投稿できないじゃん!なんのためのリハビリなんだ!ということで諦めて投稿することにしました。纏まりのない文章は多めに見てほしい。

さて、今日は何の話がしたいかと言うと

みんな聞いて!!推し舞台イメージのイヤリングを作って貰ったんだよ!!!

という話です。

 

新星急報社さんというアクセサリー屋さんのオーダー会でお願いして作っていただきました。えぇと、10月に。10月からこの記事下書きに眠ってたんですね。年越さなくてよかった。

オーダー会の概要は以下ツイートをご確認ください。

実はわたしが最初に申し込んだのは4月のオーダー会だったのですが、緊急事態宣言の最中だったため中止になっていました。今回は半年ぶりの開催でした。私が伺った時は雨天で窓が開いていても寒さをあまり感じなくて大丈夫だったのですが、今は冬で換気の面が難しいということだったので次回の対面でのオーダー会は未定のようです。オンラインでのオーダーもやってらっしゃいます!

 

上のツイートの漫画にもあるとおり、テーマは何でも良いとのことだったので、今回は去年12月に新国立劇場 小劇場で上演された「タージマハルの衛兵」をテーマに作ってもらいました。

 

※以降タージマハルの衛兵の各シーンの内容だとか演出だとかとにかくネタバレ有りの話をしているので録画したBSプレミアムまだ見てないのでネタバレこまる!という方はバックしてください!!

 

タージマハルの衛兵とは 

www.nntt.jac.go.jp

新国立劇場の「ことぜん」(個と全)シリーズの第三弾。

建設中のタージマハルの前で夜通し警備についているフマーユーンとバーブル。二人は幼い頃からの親友である。警備中は無言のまま直立不動でなければならない。ところが空想家のバーブルは黙っていられず、フマーユーンに話しかける……というところから物語は始まります。そしてタージマハルが完成した最初の朝を迎えたあと、タージマハルより美しいものを今後一切作ってはならぬという皇帝の命によりタージマハルを作った二万人の職人の手を切り落とすことになったバーブルとフマーユーン。そこから二人は戻れない道を進んでいきます。

規則が大事、皇帝の命令は絶対、命令に逆らって死ぬなんて言語道断なフマーユーンと、規則や命令が大事なのはわかるけど嫌なものはやりたくないバーブル。どちらが正しいとかそんな話ではなくて……とにかくいろんな人に観て欲しいので再放送お願いしますBSプレミアムさん。

二人芝居だったのですがお二人とも演技がうっっっっまい……*1あと照明も美術も音もいい……。観たあと暫く呆然とすることしかできなくて、ただただ「すごいものを観てしまった……」とふらふらになりながら劇場をあとにしました。ここ数年わたしが観た作品の中で間違いなく一番心に深く突き刺さった作品です。実際にある建物の建設中の話ですが、寓話のようで、現代の日本にも通じる話で、わたしにとっては「自分はどう生きているだろうか?どう生きていきたいのだろうか?」と改めて考える作品でした。観劇して一年経った今も、ふたりについてぐるぐる考えています。

 

いざオーダー会

新星急報社さんもこの作品を観劇していらしたので基本的なあらすじは省略し、印象に残っているシーンをつたないながらも伝えていきます。緊張して上手く喋れなくても丁寧に聞き取ってくださるので、「上手く伝えられるかな……」と喋りに自信のない人も安心してくださいね!予め資料作ってくる方もいらっしゃるみたいです。

  • イヤリングを作ってほしい
  • 最初は片耳フマーユーン、片耳バーブルというふうに作ってもらおうかと考えていた
  • が、共通したテーマで一部非対称になるようにしてほしい
  • フマーユーンの「世界の中心(皇帝のそば)からはじき出されたくない」というセリフが印象的だったので、輪っかもしくは丸い物体、とにかく大きい丸いものを入れたい

ということをまずお伝えして、相談のできあがったものがこちらです。

 

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解釈めちゃめちゃ一致丸やん。。。

 

ちょっと待って。そんなこと言っても見ただけじゃわからないですよね。それぞれのパーツはこうやって決めていきました。

  • ヴィンテージビーズ

まずはじめに丸いパーツから決めました。

「とにかく丸いもの」なんて伝えておきながら実はわたし、明確なイメージがありました。しかし新星急報社さんの最近の作品を見ているからといって、当然持ってるパーツを全量把握しているわけではないので最初から決めつけるのはよくないな〜と思いながら待ちます。新星急報社さんが会場に持ってきていらしたパーツの量が想像よりはるかに多くて吃驚します。

そして白くて丸いパーツを3種類出していただいたのですがなんとその明確なイメージのパーツがどんぴしゃりで出てきたんですな!!だってねえ、これ、タージマハルっぽくないですか!?中は空洞なので見た目よりだいぶ軽くて耳から下げても問題ありません。これパーツ自体はヴィンテージで塗りは現代ものなんだそうで。昔の話でありながら現代の話でもある……!

  • イヤリング金具

イヤリング金具*2をシルバーかゴールドから選びます。シルバーは夜空のようなイメージで、ゴールドだと朝のようなイメージになりますね、という言葉とともに目の前に並ぶパーツ。このお芝居は夜中から始まりタージマハルが完成した最初の朝がきたところで第一場が終わるのですが、その最初の朝にフマとバーブルが一緒に見たタージマハルがほんとうに、ほんとうに美しいんですよ。実際には舞台上にタージマハルはなく、まばゆい光につつまれたタージマハルを目にした二人の背中をわれわれ観客は見ているのですが、実物が舞台上にないからこそ二人の演技を通してわたしたちはそれぞれの「この世でもっとも美しい瞬間のタージマハル」を見たんです。このお芝居の印象的なシーンの一つですよね。ということで、迷いなくゴールドにします。完成して家に帰ってから気づくのですが、わたしは今回オーダーしたテーマで冷たいものではなくあたたかいものが欲しかったんだなぁ。

  • メタルパーツ エポペイント (一番下のパーツ)

最初に選んだ球体が丸だったので、下になにかぶらさげましょうか、と二種類のパーツを提案してもらいます。とにかく丸!しか決めてこなかったのでただ待っているだけのわたしです。

イヤリング部分をゴールドにしたので、それに合う色のものを2種類提案してくださりました。片方を見て、差し込む朝日の色だ……これがいいな……とぼんやり思いながら解説を聞いていたのですが、パーツがどういう素材で作られているのかや「差し込む光にも見えますし、二人が持っている剣にも見えるかなと思います」の言葉を聞き二つの意味を持つの最高じゃんと思いました。

  • 黒曜石(右耳)とスワロフスキー クリスタル(左耳)

非対称にしたい理由は?もともと二人それぞれで作りたかったころの名残ですか?と聞かれ、自分がなりたいのはバーブルであるけれど、今のわたしはきっと(四場の)フマーユーンと同じことをする。そういう理想と現実の差を、という答えから出してくださったのが黒曜石(現実)とスワロのクリスタル(理想)です。ここで黒曜石を選出した理由をめっちゃ聞いたのですが興奮により全部忘れました。ヲタクは興奮すると記憶が飛びがちです。片方が自然のもので片方が人工物って、自然美を愛するフマーユーンと人工美を愛するバーブルの意味も持っててそういう点でも解釈が一致するんですよ……。

この二つの石を最初に選んだ球体の上につけるか下につけるかも勿論選びます。球体の上につける方がそれぞれがよく見えるのですが、白い球体はタージマハル(権力)であるのと、その下にぶらさがるのが剣の意味も含ませているものなので、球体の下につけてもらうことにしました。タージマハルの前で剣を持っている衛兵二人のようでもあるし、権力(世界/全)の下にいる二人(個)でもあるし。あと世界の中心から外れたあとに訪れるのは肉体の死なので、それならば下かなと。あとから考えてみればバーブルは空を飛ぶことを空想していたから上でもよかったかもしれないですね。でも中心からはじき出されたくないはフマーユーンの台詞なのでわたしが選ぶのはやっぱり下だな。

ちなみに左耳右耳が決まっているのは二人が見張りをしている時の立ち位置からです。

  • スワロフスキー パラダイスシャイン

最後に一番上のパーツです。このお芝居の中で、わたしたちは二つの美しいものを見ます。一つは前述した最初の朝を迎えたタージマハル。もう一つは想い出の中の光景。むかし森で軍の隊列から離れ迷子になったバーブルとフマーユーンが二人で作った木の上の筏で見た光景です。あの木の上の筏は二人を守る鳥の巣だった。あそこが二人の楽園でもあった(フマーユーンの肉体としての楽園はあそこではないけど、精神としての楽園はあそこだと思っています)。フマーユーンが美と感じていたものが本当はなんだったのかということがわかりこちらの感情がぐちゃぐちゃになるシーンだったので、そこに関係するもの……鳥をイメージできるものがいいかなぁなどとぼんやり思いながら待ちます(こちらが言う前に何か探してらしたので、一旦出してもらってから言おうと思って待ってました)。「スワロフスキーは宝石の名前がついてたりするんですけど、偏光のものとかはオリジナルの名前がついていて、これの名前は『パラダイスシャイン』です」と出してくださったので「それでお願いします!!!」と即決でした。だってもうこれ以上ない名前じゃないですか……(涙)。偏光なので光の具合でいろんな色に見えるんですよ。写真だと水色に見えますが、ピンクや紫に見えたりもするんです。いろんな色に見えることが嬉しいことなのを、タージマハルの衛兵を観たひとならわかってくれると思っています(これでもなるべくネタバレを少なくしようと思って書いています。これでも)。

 

 ということでめちゃくちゃ解釈が一致したイヤリングが出来上がったのでした……!

多分通常は枠(1枠1時間です)たっぷり使って納得いくまで練るのだと思うのですが、わたしは出していただいたものが全て解釈と一致してたのであっというまに完成しました本当にありがとうございました……!!

想いが目の前で具現化していくの最高でした。次は何をお願いしようかな〜なんてぼんやり考えています。みなさまもよかったら是非。

 

(締めの文章、力つきました。)

 

 

2021.04.15.追記

4月下旬と5月上旬にオーダー会開催されるそうです!!みんな要チェックだ!!

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*1:バーブル役の亀田佳明さんは、この作品とガラスの動物園の演技に対して第五十四回紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞されています

*2:よくあるネジで調整するタイプではなく挟むだけのタイプなのですが、透明なクッションがついていて耳が全然痛くならないし全然落ちないのでめちゃくちゃ好きです。手持ちのイヤリングを全部これに変えたい