ブランドバッグは突然に〜②よく考える編〜
前回までのあらすじ
要約:フェンディファーストのミントグリーン色が発売されたらいいな〜そしたら欲しいな〜まぁ出ないだろうけどね〜アッハッハ〜って呑気に言ってたらマジで発売されることが発覚した。
↓ファーストってこのバッグです。欲しいサイズはスモールの方。
「フェンディ ファースト」バッグより、2022年秋冬コレクションのカラーパレットで仕上げられた新色が登場。柔らかなナッパレザーを使用し、思わず目を引くフェンディの頭文字「F」を配した大胆なデザインが魅力です。#FendiFirst #FendiFW22
— FENDI JAPAN (@FENDI_JAPAN) 2022年7月19日
フェンディ ファースト▼https://t.co/D8kJYi9pg3 pic.twitter.com/C78Icr65AV
今回はぐるぐると思考を巡らせているだけの回なので、まだるっこしいのが苦手な人は飛ばしてくださいね。暇だから付き合ってやるぜ!という方はよかったらどうぞ〜。
試着の旅へ
ブランドバッグ買わないって散々言ってなかったっけ?と思うことは一瞬たりともなく、発売されることに気づいた日から1週間毎日公式サイト・インスタ・2022年秋冬コレクション画像(これをもっと早くに見ていればもっと早くに気づけたのにね…)を見て実際の色を妄想して過ごしました。
ほらだって、画像と実物は違うから……!頼む、黄緑すぎませんように、頼む、くすんだ薄い色じゃありませんようにと何度も祈りました。溢れる想いを抑えることができず、毎日同居人にファーストについて一方的に話し続けましたごめんなさい。
そしてついに公式サイトで発売されたことを確認した週末、いざ試着へ!!!
ブランドバッグ買わないと言っていた舌の根はもうカラッカラに乾いています!!!
店頭に到着し、遠くから実物を発見したわたしは、緊張で震える手を消毒し、挙動不審になりながらも店員さんへ声をかけて持たせてもらいました!!!
は……はわ…………!!!
かわいい……!!!!!!!!!!!!!
(目の輝きがマジで似てると思う。荒地の魔女好きなんですよね。常識の範囲でご自由にお使いくださいの画像をお借りしました。 https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame)
鏡に映る自分を見た瞬間、「あたしんだよ!」(by荒地の魔女)と脳内で声がして、よしながふみの西洋骨董洋菓子店に出てくるケーキが美味しいあまり机の下で足をばたばたさせる女性客ばりに脳内で足をばたばたさせました。
これはわたしのバッグである。鏡を見た瞬間わかりました。もうだってほら、体に吸い付いて離れない。ぼくは、君を、離したくない……(頬を伝う一筋の涙)(脳内イメージです)。
心配していた色は大丈夫でした!想像より少しだけ色が濃いかな(許容範囲)と言う感じで、わたしがいつも付けてる指輪と似たような色で良い色です!ナイス。ありがとうフェンディの革決めてる誰か。もう少し薄ぼんやりした色だったらどうしようかと思ってたけど杞憂だった。ありがとうフェンディの誰か。顔タイプフレッシュ(アクキュ寄りなので曲線寄り)だからFの直線が顔にもし似合わなかったらどうしよう?と少し不安だったけど杞憂だった。助かった、わたしの顔ありがとう!!!世の中の全ての偶然に感謝します!!サンキューフェンディ!!!!!
フェンディはシーズンカラーを各種バッグで展開するので、他のミントグリーンのバッグ(フォックスファーのファースト、グラフィ、ピーカブー)も持たせて貰いましたが、やっぱりこのシンプルな革のファーストが一番わたしに似合っていました。違うものを持った時の鏡に映る「これ興味ないです」の顔があからさまで笑えます。
少し思ってたより重いし小さいけどそんなの全然許容範囲です。このショルダーの細さでこの重さに長時間耐えられるか少し不安ですが、大丈夫いけると経験が言っています。
知っていますかみなさん、(自分基準の)最高級の可愛いの前では全てのマイナスはゼロになるんですよ!!スマホと財布とハンカチとイヤホンが入るならもうあとは気にしない!!だって可愛いんだもん!!!見れば見るほどめーーっちゃ可愛いんだもん!!!フハハハハ!!あまりの可愛さにテンション上がりすぎて脳内で笑いが止まらないぜ!!!これだ!!この子しかいない!!お迎えしよう!!決定dいやちょっと待ってストーーーーーップ!!!!!落ち着いて!!!!!ばか!!!!!と脳内でめちゃくちゃ騒ぐ己を抑えつけ、売り場を後にする興奮状態のわたし。
ゼェハァ。フゥ。危ないところでした。可愛いは脳を鈍らせますね。
いや、もう買う気満々だったんですけどね……。
でも流石に即決はやばいのかな?と怖気つきました。
脳内会議開催
一度落ち着いて脳内会議しよう。いくらボーナスで買える金額だと言っても大金なんだよ。そんな湯水のように気軽に使うもんじゃない。そうでしょ、多分。……多分。あのね、気づいてないけどわたし金銭感覚おかしいんだよ。わたしは外商のお客様じゃないんだよ。よく考えたほうがいいよ。と、早る己を宥めて一旦整理しました。
【脳内会議議事録】
- まだ買えない(カードの上限額と現在の利用額の関係で今月は買えない)
- 特に演歌も応援歌も鎮魂歌もないけど、意味付けをして買いたい
- ブランドコンセプトとかちゃんと調べること
- 他店舗や他の服でも合わせてみること
- 値上げ動向は常にチェックすること(「ブランド名 値上げ」でTwitter検索すると呟いてる人がいる)
- 意味のある日に買いたいのでカレンダーと睨めっこして購入日を決めること
以上。
お気づきでしょうか?
判断材料を冷静にかき集めるというよりは、これ、買ってもいい理由をかき集めようとしていますね。
ハイ、これ、もう買う気ですよね…?何の茶番なの…??とは自分でも思いますがお付き合いください。
運命をこじつける
いくらもう買う気満々とは言えど、好き!かわいい!だけで買うのは自問自答ガールズの端くれとして申し訳なく、演歌も鎮魂歌も応援歌もないわたしだけれど、後付けで運命をこじつけるため、ブランドについて調べたりデザイナーのインタビューを読み漁りました。
まず、カール・ラガーフェルドがフェンディのデザイナーだったことを今回ようやく知りました。亡くなったニュースは知っていましたが、どこのブランドの人か、ハイブランドに興味がなくてよくわかってなかったんですね。フェンディが女系家族のブランドということも知りませんでした。
カール・ラガーフェルドの没後、アーティスティック・デザイナーに就任したのがキム・ジョーンズ。彼の初のレディ・トゥ・ウェアコレクション(「新たな始まり」がテーマだそう)で発表されたのが、今回欲しいファーストです。
そしてファーストのミントグリーンが発表されたのは2022年秋冬コレクション。このコレクションは1986年春夏と2000年春夏コレクションの再構築であるとのことでした。
ここまで調べて確信しました。
これは運命だな、って……。
え……?どういうこと……?というみなさんのざわめきが聞こえますね。
えっと、前回の記事で、今年は別に年齢の10の位が変わる節目の年ではないと書きました。
でも本当は今年、節目の年なんです。
わたし、年女で、五黄の寅年生まれなんですよね。そして今年も五黄の寅なんです。
親やまわりの人に「五黄の寅」というワードを聞かされることが多く(例:「もしかして五黄の寅なの?だから気強いんだ〜!」など。笑)、意味はよくわからずともなんとなくキーワードとして頭の片隅にあり続けた「五黄の寅」。
今年はその九星と十二支の組み合わせが、生まれてからやっと一周した年なんです。なので、今年からezotanu 2nd season(心機一転、新しい自分の始まり)だな〜となんとなく思っていて、安直に寅モチーフのものでも買おうかな?とぼんやり考えていました。
はい、みなさん。ファーストが発表されたコレクションのテーマ、なんでしたか?
そう、「新たな始まり」です。
そしてミントグリーンが発表されたコレクションは何年と何年のコレクションの再構築でしたか?
そう、1986年と2000年です。1986年、ezotanu誕生の年です。
わかりましたね。
これはわたしのこと、呼んでいますね。
そう、運命ですね。
はい、これは運命なんです(異論を認めない目力)。
ということで、運命のこじつけミッション、クリアです!
(気持ちの問題なので、わたしがよければそれでいいんだよ!!!)
自分のキーワードとブランドのキーワードを整理する
丁度あきやあさみさんの本が出版された時期だったので、幻冬舎大学のイベントに参加したり、自分のキーワードの見直しをしました。
そしてブランドについて調べてピックアップしたワードたちが以下です。
- 「不可能はない」「多様性の重視」「既成概念からの解放」
(フェンディ家3代目女性当主が挑むイノベーションとは | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)) - 「エレガンス」「伝統」「革新」「洗練」(公式サイト)
- (フェンディらしさを3つのキーワードで表現すると)「強い女性、信じがたいほどの遺産とクラフツマンシップ、そしてもちろん、家族です。」
(「フェンディ」新アーティスティック ディレクター、キム・ジョーンズが見つめる過去と未来) - 「フェンディとは彼女たち──自分の人生の手綱を握る強く知的な女たち──そのもの。」
(「フェンディと先駆的な女性たちを祝福する声明」──キム・ジョーンズが語るデビューコレクション。 | Vogue Japan) - 「持つ人に選択肢を与える(個性の尊重の考えが発展して、の部分も含む)」「楽しさ」「アイロニー(ユーモアを含んだ皮肉)」
(シルヴィア・フェンディ独占インタビュー ユニークなアイデアの源泉は? - WWDJAPAN)
この中で、自分が求めていないと感じたワードは「エレガンス」「洗練」「アイロニー」でした。
「アイロニー」はまあ今回欲しいバッグからは感じないので置いておくとして、「エレガンス」と「洗練」はひしひしと感じます。あと「フェミニン」も感じますね。
ところで、自問自答ファッション講座受講後、わたしの制服化の方向性として「クラシカルにモード系をミックスする」というのが着ていて内面に合っているなと考えていました(今これについて記載している記事は非公開)。改めてそれについて少し考えます。
「清く正しく美しく」の気持ちは割と持って生きてる。汚い手を使って生きたくないし、正直者が馬鹿を見るのは厭だと思う。
— ezotanu. (@ezotanuuu) 2022年7月29日
特に「正しく美しく」とは何基準かというと「わけわからん常識」「その他大勢」ではなく「自分の信念」に対してであるので、それを服にするとクラシカル+モード系なのやも。
ここで書いている「わけわからん常識」「その他大勢」というのが物心ついたころから大嫌いでよく反抗してきたものたちなんですが、これは「多様性の重視」「既成概念からの解放」と似た部分があるのかなと思います。
で、その嫌いなものたちと戦うのにわたしが求める強さは、スタッズやスカルや全身モード系で表現するほどの強烈な強さではなく、アクセントとして取り入れるぐらい(バリバリの戦闘態勢ではないが、全てを許容する気はないということが表現できるバランス)が丁度いいと考えているので、ベースはクラシカルでアクセントがモード系になるんですよね。
そして、あきやさんがおっしゃるファッション三種の神器のひとつである靴(のうち自分が一番履いている靴)と、昔から好きで今後も付かず離れずであろう「クラシカル」について。
靴のブランドのサイトを改めて見たら「クールで洗練されたフェミニンな女性にこそふさわしいマニッシュスタイルです。」と書いてあった。鞄もそうだが、フェミニンを忌避しているはずなのに何故か辿り着いてしまう不思議。確かにボーイッシュな服着ても女を表現している(男になりたいわけではない)。
— ezotanu. (@ezotanuuu) 2022年7月29日
あと、クラシカルって結局キーワードにすると何?と思って検索した。
— ezotanu. (@ezotanuuu) 2022年7月29日
"クラシカルとは「古典的な」「古典風な」「伝統的な」という意味の言葉で、クラシカル系ファッションというと、古典的で女性らしさと品の良さを表現できるファッションを指します。"https://t.co/5MJgjTSR3D
……あれ?「洗練」も「品の良さ(上品、エレガンス)」も「フェミニン(女性らしさ)」も、自分で選んでいる……!
自分のキーワードに入っていなくても無意識にそのワードに関連したアイテムを選んでいて、そして自分の内面と乖離していないと感じているのだから、本当は自分のキーワードに取り入れていいのではないか…?と思いました。
「洗練」からわたしが感じとるものは「強さ」。
「品の良さ」から感じるのは「清く正しく美しく」の「美しく」。
押し付けられる「女性らしさ」を忌避しているだけで、性別が女であることから逃れたいわけではないし、年相応の大人に見られたい(若々しさ<<<年齢を重ねた深み)。だから今はガーリーな服が多いけど、そこから離れていきたいという気持ちがある。
そう考えると、無意識に惹かれるのも当然なのかもと気づきました。自分の中のそれぞれの言葉の印象が曖昧で気づいていなかったのかもしれません。
ということで、キーワードの整理も問題なさそうです。
と、ここまで書いたところで5500字になってしまったので、一旦ここで切ります。
続きはまた今度。
(次の記事こそ購入編です!長くてごめんよ!!あと2000字くらいで終わらせたい)
(追記:続きやっと書きました)